一人は発達障害、もう一人は不登校のち中退、でもきっと大丈夫

上の子は発達障害、下の子は不登校のち高校中退しました。でもきっと大丈夫。

高校中退した息子のこれまで(34)

波がありながらも、何とか薬を増量するなどして持ち直し、登校できた1年生の2学期。


早起きして、恒例の早朝の初詣にも行かれたのです。

[不登校は終わったんだ。長かったなぁ。]


感慨にふけっていました。


間違いなく3学期からも休まず登校できるだろうと思っていました。


深夜のオンラインゲームを冬休みに覚えたことには一抹の不安を感じていた他は。


、、、しかし、予感は的中し、3学期は学校の受験生対応のため休みが多かったのも手伝い、見事に生活リズムが狂ってしまいます。

休みがちの中、結果的にはおまけをしてもらい何とか進級できたのですが気が気ではありませんでした。


進級の決まる少し前に

グループで、大学見学をしてくる課外授業がありました。


朝早く起きて、空港で待ち合わせ、班行動をして同じ場所で解散する行事です。


空港に、、朝、集合。


行かれるのだろうか、、不安になりました。


夜な夜な通話しながら深夜までゲームをしている次男です。


心配でした。


長男の大学受験が終わりそちらの方が何とか落ち着き、遠慮なく大きな声で次男を起こしたり、声かけできるようになったため、


毎朝起こし、毎晩スマホをやめるよう声をかけ、

それに対して次男がキレる、という大声が飛び交う日々が始まりました。


オンラインゲームは同級生の子たちのグループでやっており、皆は朝起きて登校できるのに、息子はできない。


クラスの皆がやっているから、自分も、と

思っている次男が腹立たしかったです。


心を病み、そして、時間通りに起きるまでに体調も整っていないのです。


母親である私は、日々日々細かく声をかけるのがエスカレートしていきます。


朝起こす声がけ。「起きよう?」

支度。出発の声がけ。「あと5分で歯磨きだよ」「〜分に出発だよ」

帰宅したら夕食、服薬、スマホストップ、

就寝の声がけ。

「さあ、薬を飲もう」

「あと5分でお風呂だよ」

「もう11時だよ」


、、、、、編入した時(1つ目の高校は、入学早々軽くいじられたのがきっかけで、

2.3日しか行かずすぐ留年決定、退学しました)、毎日声をかけ時間を管理し、何とか学校に送って行きました。


半年以上経った3学期。



でもやはり学校は休みがちで、登校できても5限や6限から。


それでも車で送っていきました。

ホームルームの時間しか出なくても出席の日数にカウントされます(科目単位にはなりませんが)。

科目単位と、登校している日数。両方が

進級に必要でした。


もちろん課外授業もカウントされます。

やはりどうしても行って欲しいと思いました。



さて、とうとうの課外授業の前日になってしまいます。


「学校を休んだらスマホを解約する」という取り決めをしていたのですが


そちらも


「今度こそ行くから、お願いします」とその度に頼み倒され、なあなあになっていました。


オンラインゲームをして朝方まで起きていて学校を休んでしまうのではもうだめ。


絶対無理だ。


、、私自身が精神的に追いつめられていました。


着替えて、携帯を解約する書類をバッグに入れて、出かけようとしました。


駅前の携帯ショップに行くためです。


携帯がないと、翌日の課外授業で連絡が取れないため不便かもしれないとも思いましたが


でも、、、もう私自身がいっぱいいっぱいでした。


毎日の大変さ、苦しさ。追いつめられていました。


ここで、彼に言わなければ良かったのでしょうか。


なぜ言ったのでしょうか。


言ったら反省すると思ったのでしょうか。


「携帯、解約してくるよ!」


大声で伝えて、玄関で靴を履きます。


すると、「待って!」と


部屋からすごい勢いで出てきました。


「母さん!待って!」バッグをものすごい力でつかまれますが、振り切って玄関を出ます。


着ていたコートのフードを思い切り引っ張られました。

ビリっと破れる音がします。


それでもエレベーターに乗ります。


彼は、寝間着のまま、裸足でエレベーターに乗ってきました。


揉み合いになります。

書類の入ったバッグに手をかけものすごい勢いで引っ張られます。


、、、揉み合い、そして一階に着きエレベーターの扉が開いた時、小さな子連れの夫婦がいました。


「すみません!」

助けてください、と言おうとした時、次男はさっと姿を消しました。


鬼気迫った状況は伝わらなかったようで、

単なる挨拶の「すみません」と受け止められたようでした。


フードの破けたコートのまま、走って走って

駐車場まで走り、

車に乗り込み、エンジンを入れると、

無我夢中で車を走らせました。


気が狂ったかのように追いかけてくる息子が怖かったです。


コートは、着心地が良く、私にしては

高価なもので

とても気に入っていたものでした。


幸いにも母が手を入れて直してくれたのですが今でもそのコートを見るとこの頃の

とても辛かった時代を思い出します。


携帯ショップまで10分くらいでしょうか、

車を走らせました。


彼が追いかけてきたらどうしよう。

息子ながら怖かったです。


でも本当に怖かったのは、それくらいスマホ以外に世界を持たない息子の状況の狂気さだったように思います。


現実世界の何物でもなく、スマホの中の

ゲーム、動画などの世界。


取り上げられると狂気の沙汰になってしまう、そんな息子の精神状態がこの世のものとは思えなく恐ろしく感じられました。



、、、けれども、車を停めた後、ショップの駐車場でしばし考えました。


少し冷静になりました。


、、、携帯を解約すると、翌日の課外授業の班行動などに必要な連絡ができなくなってしまう。

 

携帯を持っていないことで参加したくなくなってしまったら、、、。


それに、少しは酌量することも私には必要かもしれない、、、。


そう考え、

結局、携帯は解約しないと決めました。





その日は、しかし、家に帰るにも帰れず、

寺社にお参りに行ってこようと

思いました(寺社に行く習慣はまったくなかったのですが、彼の不登校をきっかけに

寺社巡りをして願掛けをするようになりました)。


次男の心の病が治りますように。

学校に行かれますように。

助けてください、、、。



そんな風に願掛けしました。


(続きます)