高校中退した息子のこれまで(15)
前回の記事https://www.joyjoytree.site/entry/2019/02/05/010627
な続きです。
暴れに暴れ、警察の方に送ってもらい隣町の義父のところに一泊した次男を迎えに行きました。
夫が会社の取引先の人に教えてもらった民間信仰のお寺に行くことになっていました。
教えてもらったのは、長男の発達障害などで悩んでいた10年以上前、時期、ずいぶん昔です。
夫婦共々、あまり新興宗教などを信じません。
色々なお誘いを受けますが、二人ともあまり興味がなく、また、なんとなく裏にあるからくりのようなものが透けてみえる気がします。
お普通に仏教のお経をあげるお坊さんのいるお寺なのですが、そのお坊さんというのが、霊感のある方で。依頼者の先祖からのメッセージが聞こえ
そ、例えば「見放されたお墓がある」とか「神棚が処分されたことがある」「池で亡くなった先祖がいる」などを言い当てるとのこと。
長男のことで困っていた時に、夫が世間話から
教えてもらい、藁にもすがる気持ちで行ってみた
ところ、
「落ちる、助けて怖いよ、と聞こえる。
母方の先祖の誰か高いところから落ちた人はいないか」と言われ、
母方のお墓は都内のあるお寺一箇所にまとまって
いたのでお墓まいりがてら、そこのご住職に尋ねたところ、戦時中に南の海上を飛行中に墜落して亡くなった方がいたのです。
それがわかり、供養してもらいました。
長男は
おかげさまで色々ありましたが、運良く色々恵まれて元気にやってこられました。なのでちょっとひねくれていて何事も一度疑ってみる私達夫婦もこちらには気休めなのかもしれませんが数年に一度くらいは行き、供養してもらっていました。
学校に行かれず荒れている次男を目の当たりにし、10年ぶりくらいでしたがそこのお寺に行ってみよう、次男を連れて行ってみよう、となりました。藁にもすがる思いでした。
同じ県内ですが遠方で、車で2時間、電車だと3時間くらいかかるでしょうか。
早くに家を出て、朝9時頃受付を済ませ、
昼頃からお坊さんがお経を唱えたり話をしたり。
前もそうでしたが百人以上の方が日本各地から
来ていました。
しかし、次男は受付を済ませ、待合室のようなところにいる時に突然激怒し出したのです。
お坊さんが講堂でお経を唱える前に待合室に来て、各家庭の悩み事などをメモした紙を見ながら
ひと家庭ずつ話をします。
とても気さくな方でいつも駄洒落ばかり言っている面白い方なのですが、息子はその駄洒落に
腹を立てたようでした。
いざ、講堂に入って、いよいよお経などが始まる、という時に
「あの爺さんインチキだ！
こんなところに連れてきやがって！
帰るわ！」
と出て行ってしまいました。
全く土地勘のない、山間の田舎町です。
最寄り駅まで歩ける距離ではないし、電車でも3時間はかかります。
私は、夫に「探してきて！」とお願いします。
夫も怒っており、「やだよ！そのうち戻ってくるよ！」と言います。
とうとう私は悲しくなって人前なのに涙声になってきました。
仕方なく夫は探しに出て行きました。
私は見られないように、フード付きジャケットをしっかり被り、声を殺して泣きました。
我慢しても我慢しても涙が出て絶えず流れてくる。
どうして息子はこうなってしまったのだろう。
どうして今わたし達こんな風になってしまったんだろう。
ただ普通に高校に行ってもらいたいだけなのに。
どうして。
どうした。
ずっとずっと、ジャケットが涙でびしょびしょに
なるくらい静かに泣いていました。
1時間くらい経った頃でしょうか。
夫が戻ってきました。
次男に電車賃を渡して、最寄りの駅まで送って帰らせた、とのこと。
車で探しているところ、定食屋から出てきた息子を見つけ、そのまま車に乗せたそうです。
息子は、きっと空腹だったから激怒したのかも
しれません。
今の彼はこんな風に起こることはまずありません。
精神的に特に神経質になっているときは
語調も荒くなりますが、暴れることもなく、
人が変わったように穏やかにはなりました。
その後、夫婦二人でお坊さんの話を聞いたところ、驚くようなことを言い当てられました。
(続きます)
