一人は発達障害、もう一人は不登校のち中退、でもきっと大丈夫

上の子は発達障害、下の子は不登校のち高校中退しました。でもきっと大丈夫。

高校中退した息子のこれまで(47)

包丁を服の下にいれると

すごい勢いで飛び出してしまった息子。


追いかけようとしましたが私は気力なく


そのまま唖然として立ち尽くしていました。


警察に連絡?


いや様子を見よう。


「人を殺す」と言ったのは単に脅しのつもりだろう。


それにこれまで何度も110番してパトカーが

家に来ているのです。


これ以上近所の目に触れるのは辛い。


そう考えて待ちます。


けれども一応、会社にいる夫に連絡しました。


携帯の電源は切っているようだったので

会社の支店にかけました。


会社に電話なんてやめてくれ、


といわんばかりの様子で電話口に出た夫が

緊張でこわばった表情になっていくのが

見えるようです。


もし息子が本当に人でも刺して事件になって

しまったら夫の仕事、これまで築いてきた

地位などもすべて無駄になってしまうでしょう。


、、、しかし、どこかに「息子は人を刺したりは絶対にしないだろう」という確信もありました。


幼稚園のときに叩かれても仕返しをしなかった彼は、人の痛みに人一倍敏感な優しい

子だったのです。


、、、、、、、


20分くらいして彼は帰ってきました。


スーパーの袋には、


缶ビール、ウォッカ、焼酎など数本入って

います。


もうすでにお酒の缶を一本あけて

飲んでいるようで赤い顔をしていました。


陽気な気分になったようでにやにやと

笑っています。


、、、とりあえず良かった。


そう思っている間に一本、二本と


お酒をあけていきます。


、、、、、、、、、、、、、、


だめだよ。


止めましたが今にも殴りかかってきそうな

表情で凄まれました。


飲んだことのないお酒は彼の身体にはきつかったようですぐに気分が悪くなって

しまったようです。


気持ち悪くてトイレに篭ってしまいました。


、、、狂気の沙汰とはこういうことなんだな。



絶望の淵にいながら私の頭は

どこかはっきりとして、


冷静だったのを覚えています。


(続きます)