高校中退した息子のこれまで(49)
前々回の続きです。
私は一旦中断していた心療内科に
連絡します。
ただし思うところあって担当の先生は
かえてもらいました。
頓服薬もきっちりもらい、
家路に向かいます。
心療内科に通い、回復すればきっと高校に通えるようになる。
そんな夢もあっけなく破れ、
今後について、ただただ不安でした。
フリースクールなどに通うという選択肢もありましたが、この精神状態では
まず通えないでしょう
(当時、彼は、「人が見ている」「悪口を言われているような気がする」
と人混みを避けて行動していました。
例えば、「本を買いたい」というので
駅ビルに連れて行ったところ、
「人が多すぎる!」と急に不機嫌になってしまう。
車に乗せると、「窓から皆が見ている」
と窓から見えないように後部座席に
寝そべる格好で目的地まで乗っている、
という具合です。
果てしなく白い延々とした一本道が
続いているように感じられました。
絶望。
これを、絶望と呼ぶのだと思いました。
(続きます)